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障害者雇用の「納付金」と「調整金」。100人超の企業が押さえる実務

KIMIDORI 編集部2026.06読了 約4分
障害者雇用の納付金と調整金の実務を解説するコラムのアイキャッチ画像

2026年7月、障害者の法定雇用率は2.7%に上がりました。「自社は雇用義務の対象になるのか」を確認したら、次に出てくるのがお金の話です。常用労働者が100人を超える企業には、雇用率を満たせなければ「納付金」、満たして上回れば「調整金」という、お金の出入りが関わってきます。本記事では、その仕組みと、いつ・いくら・どう手続きするかを整理します。

「雇用義務」と「納付金」は、対象が違う

まず押さえたいのは、雇用義務の対象と、納付金の対象が別だということです。雇用義務は、常用労働者37.5人以上(法定雇用率2.7%)の企業に生じます。一方、納付金・調整金の制度が関わるのは、常用労働者の総数が100人を超える企業だけです。

つまり、37.5人以上100人以下の企業は、雇用義務はあっても納付金を求められることはありません。逆に100人を超える企業は、達成状況に応じてお金の出入りが生じます。

雇用義務があっても、納付金の対象とは限らない。分かれ目は「100人超」。

満たせないときのコスト ― 納付金

常用労働者が100人を超え、法定雇用率に達していない場合、不足する障害者数に応じて、1人あたり月額50,000円の納付金を納めます。これは罰金ではなく、障害者を多く雇う企業との経済的な負担を調整するための仕組みで、調整金や各種助成金の財源になっています。

金額の考え方はシンプルです。たとえば常用労働者200人の企業なら、法定雇用障害者数は200×2.7%=5.4で、端数を切り捨てて5人。実際の雇用が3人なら、不足は2人です。月50,000円×2人×12か月で、年間120万円。これが毎年続くと考えると、決して小さくない金額です。

上回ったときに受け取れる ― 調整金

逆に、100人を超える企業が法定雇用率を上回って障害者を雇用している場合は、超えた人数に応じて1人あたり月額29,000円の調整金を受け取れます。多く雇うほど受け取れる仕組みですが、令和6年の改正で上限の調整が入り、超過が多い企業(年間で月平均10人を超える分)については、その超える分の単価が23,000円に下がります。

なお、常用労働者が100人以下の企業に納付金はありませんが、一定数を超えて障害者を雇用している場合は、1人あたり月額21,000円の「報奨金」を申請できます(こちらも超過が多い分は単価が調整されます)。

いつ、どう手続きするか

100人を超える企業は、前年度(4月〜翌3月)の雇用実績に基づき、毎年4月1日から5月15日までに申告・納付(または調整金の申請)を行います。手続きは電子申告申請システムが基本です。

見落としやすいのが、調整金は「申請しないと支給されない」という点です。納付金は未達なら納付義務が生じますが、調整金は達成していても自動では入ってきません。締切を過ぎた申請は受け付けられないため、年度の早い段階から準備しておくのが安全です。

まず、最初の一歩

最初にやるべきは、自社の常用労働者数を確認し、「100人超かどうか」をはっきりさせることです。そのうえで、月ごとの常用労働者数と障害者数を年度で集計できる形に整えておきます。未達なら「不足数×5万円」のコスト感が見え、達成しているなら調整金の取りこぼしを防げます。

納付金や調整金は、あくまで結果として生じる「お金の出入り」です。本質は、その手前にある「どう受け入れ、どう続けてもらうか」の設計にあります。数字の確認とあわせて、受け入れの体制づくりも一歩ずつ進めていきましょう。

出典

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